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公証事務

7-3
宣誓認証

Q. 宣誓認証とは、どういう制度ですか。

宣誓認証制度は、公証人法58条ノ2の規定の新設により設けられた制度です(平成10年1月1日施行)。公証人が私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)に認証を与える場合において、当事者がその面前で証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名若しくは押印し、または証書の署名若しくは押印を自認したときは、その旨を記載して認証する制度です。宣誓認証を受けた文書を宣誓供述書といいます。

公証人が、私文書について、作成の真正を認証するとともに、制裁の裏付けのある宣誓によって、その記載内容が真実、正確であることを作成者が表明した事実をも公証するものです。

Q. 宣誓認証制度新設のねらいは、何ですか。

第1には、民事訴訟の実務において、訴訟促進の観点から当事者又は第三者の供述を記載した陳述書等を利用することが多いのですが、その正確性を担保するための手段として、制裁の裏付けのある宣誓認証を用い、証拠を保全し、適正かつ迅速な裁判に資することを目的としています。

第2には、私署証書の内容が真実であることを当事者が宣誓し、そのことを公証人が認証した証書の提出を、外国の官庁、会社等から求められることがあるため、そのような要請にも対応するためです(この第2の点については、「外国文認証」の項を参照してください)。

Q. 宣誓認証は、具体的には、どのようなことに利用できますか。

  1. 重要な目撃証言等で、証言予定者の記憶の鮮明なうちに証拠を残しておく必要がある場合
  2. 供述者が高齢又は重病のため、法廷の証言前に死亡する可能性が高い場合
  3. 現在は供述者の協力が得られるが、将来、協力を得ることが困難となることが予想される場合
  4. 相手方の働きかけ等により、供述者が後に供述内容を覆すおそれがある場合などに宣誓供述書を作成しておくことは、証拠の保全として大変有用です。
  5. 推定相続人の廃除の遺言をした場合に、遺言者が廃除の具体的な理由を宣誓供述書に残しておくこと
  6. 契約書作成の際に、周辺の事情を知る関係者の協力を求めて宣誓供述書を作成しておき、当該契約を巡るトラブルに備えること

が考えられます。

Q. 配偶者からの暴力に対処する場合には、宣誓供述書が必要になる場合があると聞きましたが、どういうことですか。

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年10月13日施行)に基づく保護命令の申立てには、宣誓認証をした書面の添付を要する場合があります。

Q. 保護命令とは、何ですか。

保護命令とは、裁判所が被害者からの申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、配偶者に対し一定の期間被害者へのつきまといの禁止等や住居からの退去を命じ、その命令の違反に対し刑罰が科せられるという制度です。

Q. 申立ては、どのようにするのですか。

保護命令の申立てに際しては、申立書に被害者が、① 配偶者から暴力を受けた状況、② 更なる配偶者からの暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる事情、③ 配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し、配偶者からの暴力に関して相談し、または援助若しくは保護を求めた事実がある場合にはその事実、を記載します(同法律12条1項)。

しかし、申立書に③の事実の記載がないときは、申立書に①の状況及び②の事情についての申立人の供述を記載した書面に宣誓認証を受けたものを添付しなければならないものとされています(同法律12条2項)。

また、保護命令の発せられた後、その保護命令の申立ての理由となった配偶者からの暴力と同一の事実を理由とする再度の申立ては、一定の期間被害者等へのつきまとい等の禁止を求める保護命令に限りすることができますが(同法律18条1項、10条1項2号)、その場合にも、申立書に③の事実の記載がないときは、申立書に①の状況及び②の事情についての申立人の供述を記載した書面に宣誓認証を受けたものを添付しなければなりません(同法律18条2項)。

したがって、これらの場合には、宣誓認証を受ける必要があります。

Q. 宣誓認証の対象となる文書は、どのようなものですか。

宣誓は、証書の記載が真実であることを誓うものですから、認証を与える私署証書は、過去の事実を記載した内容のものが一般的です。しかし、契約書など証書の作成者の意思表示を記載した私署証書も含まれます。

Q. 宣誓認証の手続の特徴は、何ですか。

まず、一般の私署証書と違い、宣誓認証は、公証人の面前で宣誓することが要件となっているため、代理人による嘱託は認められません(公証人法58条ノ2第3項)。

また、宣誓認証の嘱託をするには、同一内容の証書を2通提出しなければなりません(公証人法58条ノ2第2項)。手続終了後、認証した証書の1通を嘱託人に還付し、1通を役場で保存します。

次に、公証人は、宣誓の趣旨を説明し、証書の記載が虚偽であることを知って宣誓したときは、過料の制裁のあることを告げます(公証人法施行規則13条の3第3項)。それから、嘱託人は、公証人の面前で、起立して厳粛に、「良心に従って証書の記載が真実であることを誓う」旨宣誓します。

Q. 宣誓認証は、いわゆる尊厳死宣言とか、あるいは企業の創業者が子孫や後継者に残す社訓など、いろいろな方面で利用できるのではありませんか。

宣誓認証は、我が国では新しい制度です。創意工夫によっていろいろなことに活用できると思います。実際に社会で活躍され、苦労されている方々のアイディアが大切ですから、是非お近くの公証役場で相談してみてください。