任意後見契約
(目次)
Q |
契約の内容は,自由に決められますか? |
| A | 任意後見人の基本的な仕事は,上記に述べたとおりですが,任意後見契約は,契約ですから,法律の趣旨に反しない限り,具体的には,当事者双方の合意により,自由にその内容を決めることができます。 |
| 1 | 任意後見監督人の選任前 本人,任意後見受任者,代理権の範囲 |
| 2 | 任意後見監督人の選任後 本人,任意後見人,任意後見監督人,代理権の範囲 |
Q |
体力が弱って,公証役場に出向くことができないときでも,任意後見契約を締結することができますか? |
| A | その場合には,公証人が,自宅や病院に出張して公正証書を作成することができます。なお,この場合には,上記1の手数料が50%加算される(1万6500円になります。)ほか,日当と現場までの交通費が加算されます。 |
Q |
任意後見事務の処理に必要な費用は,誰が出すのですか? |
| A | 費用は,任意後見人が管理する本人の財産から出すことになります。契約で任意後見人の報酬の定めをした場合には,費用のほかに,報酬も本人の財産の中から支出されることになります。そして,これらの処理が適正になされているか否かは,任意後見監督人が監督します。 |
Q |
任意後見人や任意後見監督人に,報酬は支払うのですか? |
| A | 任意後見人に報酬を支払うか否かは,本人と任意後見人になることを引き受けた者との話し合いで決めることになります。ごく一般的に言えば,任意後見人を,第三者に依頼した場合には,報酬を支払うのが普通ですが,身内の者が引き受けた場合には,無報酬の場合が多いといえましょう。 任意後見監督人には,必ず報酬を支払う必要があります。その報酬額は,家庭裁判所が事案に応じて決定しますが,本人の財産の額,当該監督事務の内容,任意後見人の報酬額その他の諸事情を総合して,無理のない額が決定されているようです。決定された報酬は,任意後見人が管理する本人の財産から支出されます。 |
Q |
任意後見契約を,途中でやめることはできますか? |
| A | 任意後見契約を解除することはできますが,下記のとおり,解除する時期により,その要件が異なります。 |
| 1 | 任意後見監督人が選任される前 公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除できます。合意解除の場合には,合意解除書に認証を受ければすぐに解除の効力が発生し,当事者の一方からの解除の場合は,解除の意思表示のなされた書面に認証を受け,これを相手方に送付してその旨を通告することが必要です。 |
| 2 | 任意後見監督人が選任された後 任意後見監督人が選任された後は,正当な理由があるときに限り,かつ,家庭裁判所の許可を受けて,解除することができます。 なお,前記のとおり,任意後見人について任務に適しない事由が認められるときは,家庭裁判所は,本人,親族,任意後見監督人の請求により,任意後見人を解任することができることになっています。 |
Q |
他に,何か参考になることはありますか? |
| A | 任意後見人の仕事は,かなり大変な仕事ではないかと思われます。したがって,任意後見契約が無報酬の場合には,任意後見人の労苦に報いるために,将来自分に万一のことがあったときには,任意後見人になった者に,より多くの財産を相続させたり(任意後見人が相続人の一人である場合),財産を遺贈したり(任意後見人が相続人でない場合)するなどの配慮をしておくことも,考えられてよいことではないかと思われます。 |
Q |
自分が死んだ後,障害を持つ子供のことが気がかりですが,それに備える方法はないでしょうか? |
| A | まず,心配な子のために,然るべく遺言をしておいてあげることが,最低限必要と思われます。なお,心配な子の面倒を見ることを条件に第三者に財産を遺贈する場合のことは,遺言のQ&Aの該当箇所をご覧下さい。 次に,その子に契約締結能力がある場合には,子自らに委任契約及び任意後見契約締結させておく(親が死んだり体力が衰えたりなどした時期に,受任者の事務を開始するようにしておく。)ことが可能ですので,受任者に人を得ることができれば,安心できるのではないかと思います。 その子に契約締結能力がない場合(知的障害の程度が重い場合等)には,同じく信頼できる人を見つけて,その人との間で,子が未成年であれば親が親権に基づいて,親が子を代理して任意後見契約を締結しておくことができると考えられます。子が成年の場合でも,親自ら後見人となる審判を受けた上で,同様に任意後見契約を締結しておくことが考えられますが,これを否定する考えもあり,事前に公証人と相談されるとよいと思います。また,その人と親自身との間で,親が死んだり体力が衰えたりした後の,その子の介護及び財産管理等について委任する契約をしておくことも考えられる方法のひとつです。 いずれにしても,いかに信頼できる人を見つけるかということがとても大切なので,信頼できる人が身近に見つからない場合には,各種社会福祉法人,弁護士会,リーガルサポートセンター,家庭問題情報センター等の組織に相談するなどして,信頼できる受任者を今のうちに見つけておく努力をしておかれてはいかがでしょうか。 |