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公証事務

7-5
電子公証

Q1. 電子公証制度とは何ですか

電子公証制度とは

  1. 現在、社会生活を送る上で、紙に書かれた文書だけでなく文書をパソコンなどで利用できるPDFファイルなどの電子データ(電子文書)が重要になっています。公証人は、紙に書かれた文書だけでなく、電子データについてもの作成者を証明する「認証」やその文書データがある時点で存在したことを証明する「確定日付の付与」を行うことができます。
     例えば、会社設立の際に必要な定款の認証についても、定款の文書を記録したPDFファイルに対して認証することができます(この場合、紙の定款の認証の際に必要な印紙税(4万円)が不要になります。
  2. 認証した電子文書は20年間、電子確定日付に関するデータは50年間保存します。
    認証された電子文書又は確定日付が付与された電子文書を紙に印刷したものに保存してある電子文書と同一であることの証明書を添付したものの発行を受けることができます<同一の情報の提供>。
    認証された電子文書又は確定日付が付与された電子文書が真正である(改竄されてない。)ことの証明を受けることができます<情報の同一性に関する証明>
  3. 電子公証は、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システムを使って行われます。
     嘱託人と指定公証人がやり取りする電子情報は、SSLによって暗号化され、第三者による改竄や盗み見を防止し、安心かつ安全なサービスを実現しています。
  4. 電子公証制度については、法務省民事局のホームページに解説記事「『平成19年4月1日以降ご利用になる方のための公証制度に基礎を置く電子公証制度』について」がありますのでご参照ください。

Q2. 電子公証を利用する手順を教えてください。

  1.    電子公証の手順は、次のとおりです。
    1.    電子公証を受ける電子文書を作成し、電子署名をします(電子確定日付の付与の場合には、電子文書に署名や記名押印がなくても差し支えありません。)。
    2.    法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」により、(1)の電子文書を添付ファイルとして、電子公証のオンライン申請をします。
    3.    公証人が公証役場の電子公証システムに送られてきた(1)の電子文書に電子公証を行い、嘱託人(請求者)は、嘱託又は請求したものを受け取ります。
  2.    それぞれについて、説明していきます。
    1.    電子文書を作成し、電子署名をすること。
      1. ①   認証の対象となる電子文書は、PDF形式で保存されたものに限られます。電子確定日付の付与は、テキスト形式、PDF形式又はXML形式が使用できます。
      2. ②   電子文書は、10メガバイト以下のものに限られます。ファイル名(件名)は、全角の場合には15文字以内、半角の場合には31文字以内に納めてください。また、ファイル名に使用できる文字種は、全角及び半角の英数字及び各種記号(一部使えない記号があります。)、カタカナ、ひらがな並びにJIS第1及び第2水準の漢字です。
      3. ③   電子文書に電子署名をするには、Adobe Systems社の市販ソフトウェア「Adobe Acrobat(Standard又はProfessional)」その他のソフトウェアを使用してください。また、電子証明書を読み取るために、カードリーダーが必要になります。
      4. ④   電子公証で使用できる電子証明書は、次のとおりです。
        1. ア   「商業登記に基づく電子証明書」(電子認証制度を運営する電子認証登記所)
             (注)株式会社リーガル/日本電子認証株式会社が提供する法人認証カードサービスに係るICカード格納型電子証明書も利用できます。
        2. イ   「公的個人認証サービス」(地方公共団体情報システム機構)
        3. ウ   「セコムパスポートfor G-ID」(セコムトラストシステムズ株式会社)
        4. エ   「電子認証サービス(e-Probatio PS2)」(株式会社NTTネオメイト)
    2.    「登記・供託オンライン申請システム」により、電子公証のオンライン申請をすること。
         平成30年11月30日から、株式会社、一般社団法人及び一般財団法人については、嘱託人の氏名のほか、実質的支配者となるべき者の「氏名」及び「読み(カナ)」を入力しなければなりません。詳しくは、「実質的支配者となるべき者の申告制度」を御覧ください。
      1. ①   登記・供託オンライン申請システム
           「登記・供託オンライン申請システム」の利用には、申請者情報登録(ユーザー登録)と「申請用総合ソフト」のダウンロードが必要になります。こちらのページから手続をしてください。
      2. ②   指定公証人
           公証人のうちで電子公証制度に対応できるのは、法務大臣によって特に指定された「指定公証人」です。指定公証人が執務する公証役場については、「公証役場一覧」を、また、指定公証人の所属、役場名及び氏名については、法務省民事局のホームページの「指定公証人一覧」を御覧ください。
      3. ③   公証人との連絡
           申請に当たっては、公証人を指名していただく必要があります。
           特に、定款認証については、文章に不備があると、設立登記ができなくなるおそれがありますので、申請前に指名する公証人と連絡を取っていただき、文章の内容等について、公証人に御相談ください。
           また、嘱託又は請求したものを受領する日時等についても、打合せを行わせていただきます。
    3.    嘱託又は請求したものを受領すること。
      1. ①   テレビ電話を利用する電子認証の場合
        1. ア   テレビ電話を利用して電子定款及び電子私署証書の認証を受ける場合には、嘱託人又はその代理人が公証役場にお越しいただく必要はありません。
        2. イ   公証人は、テレビ電話により、電子定款又は電子私署証書にされた電子署名が嘱託人本人によってされたものであることを確認するとともに、嘱託人の本人確認を行うことによって、電子定款及び電子私署証書の認証を行います。
             なお、定款作成代理人が嘱託する場合には、嘱託人から、事前に、公証役場に対し、発起人等の定款作成代理人に対する電子委任状(電子署名付きのもの)のオンライン送信をするか、又は紙の委任状(印鑑登録証明書等付きのもの)を郵送していただくことが必要です。
        3. ウ   テレビ電話を利用して電子認証を行った場合には、「登記・供託オンライン申請システム」を介して、認証済みの電子定款又は電子私署証書のデータを嘱託人に送信します。
             そして、認証後、返信用のレターパックには、申告受理及び認証証明書(定款認証の場合)を同封するほか、嘱託人の請求により、同一の情報の提供の書面も同封して、嘱託人に送付します。また、嘱託人から希望があれば、郵送された電子媒体に認証済みの電子文書を格納して、返信用のレターパックに同封してお渡しすることも可能です。
      2. ②   テレビ電話を利用しない電子認証の場合
        1. ア   テレビ電話を利用しないで電子定款及び電子私署証書の認証を受ける場合には、嘱託人又はその代理人が公証役場にお越しいただくことが必要になります。
        2. イ   その際に、御持参いただくものは、次のとおりです。
          1. (ア)   認証した電子文書のデータを保存するための電子媒体(フロッピーディスク又はCD-R、CD-RW、DVD-R又はUSBメモリ)
          2. (イ)   電子署名をされた方以外の方が公証役場にお越しになる場合には、(a)電子署名をされた方の実印を押捺した委任状、又は(b)電子文書に署名された方の電子署名のある電子委任状
               (a)の場合には、電子署名をされた方が個人(自然人)のときは3か月以内に発行された当該個人の印鑑登録証明書が必要であり、電子署名をされた方が法人のときは3か月以内に発行された当該法人の登記事項証明書及び代表者の印鑑証明書が必要です。
               (b)の場合には、嘱託人から公証人に電子メール等で電子委任状を御送付ください。
          3. (ウ)   定款の電子認証の場合で、定款作成代理人が電子署名をしている場合には、発起人等の定款作成代理人に対する委任状(実印を押捺したもの)
               この場合、委任状には、定款本文を印刷したものを添付してください。
               また、この場合には、発起人等が個人(自然人)のときは3か月以内に発行された当該個人の印鑑登録証明書が必要であり、発起人等が法人のときは3か月以内に発行された当該法人の登記事項証明書及び代表者の印鑑証明書が必要です。
          4. (エ)   公証役場にお越しになる方の本人確認資料として、(a)官公署発行の顔写真付き身分証明書、又は(b)印鑑登録証明書及び実印
        3. ウ   テレビ電話を利用しないで電子認証を行った場合には、持参された電子媒体に、認証済みの電子定款又は電子私署証書のデータを格納して、公証役場に来られた嘱託人又はその代理人に交付します。
             その際、申告受理及び認証証明書(定款認証の場合)を交付するほか、嘱託人の請求により、同一の情報の提供の書面も交付します。
      3. ③   電子確定日付の付与の場合
        1. ア   電子文書に電子確定日付の付与を受ける場合には、その請求者は、公証役場にお越しいただく必要はありません。
        2. イ   請求者は、「登記・供託オンライン申請システム」により、公証役場に電子文書のオンライン送信をして、電子確定日付の付与を請求します。
        3. ウ   公証人が、電子文書に電子確定日付を付与した場合には、「登記・供託オンライン申請システム」を介して、電子確定日付の付与された電子文書のデータが請求者に送信されることになります。
        4. エ   なお、電子確定日付の付与は、管轄がなく、全国どこの公証役場でも取り扱うことができることから、地方の6公証役場を電子確定日付センターに指定し、企業や個人が一度に多数の電子確定日付の付与を必要とする場合に、電子確定日付センターでこれを迅速かつ集中的に処理することができる体制を整備していますので、是非御活用ください。詳しくは、「電子確定日付センター」を御覧ください。

Q3. 電子公証の手数料はどうなっていますか。

手数料は政令(「公証人手数料令」)により次のように定められています。

 <日付情報の付与> ⇒ 700円
 <電磁的記録の認証>
  (1) 私署証書の認証 ⇒ 11,000円(原則)
  (2) 定款の認証 ⇒ 50,000円(印紙税40,000円は不要)
 <電磁的記録の保存> ⇒ 300円
 <情報の同一性に関する証明> ⇒ 700円
 <同一の情報の提供> ⇒ 700円(書面による交付の場合は、1枚につき20円を加算)

また、手数料の予納が必要になる場合がありますので、必ず、請求される公証役場へ事前にご連絡ください。

Q4. 電子公証制度利用上の注意事項があれば教えてください。

  1. 電子公証制度を利用して嘱託・請求をするときには、必ず事前に嘱託・請求先の公証役場に電話をするなどして担当者と事前の打合せをしてください。
    いったん電子署名をした電子文書はその字句の訂正・変更はできません。インターネット経由で公証役場へ送った電子署名済みの電子文書に字句の訂正・変更の必要が生じた場合には、元文書を訂正・変更して改めて電子署名を行い再度インターネットで送らなければなりませんので、手間と時間を要します。必ず事前の打合せをしてください。手数料支払方法についてのご案内もいたします。
  2. 法務局に認証済みの定款を提出して会社登記をする場合は電子文書の形で受け付けて貰えますが、銀行等の金融機関では現在紙ベースのものしか受け付けないのが実情です。そこで、謄本を請求する場合(<同一の情報の提供>)は必ず書面で交付を受けてください。
  3. 電子公証システムの事務取扱時間は月曜日から金曜日(国民の祝日・休日、12月29日から1月3日の年末年始を除く。)の8:30から17:00となっています。ただし、17:00でシステムは稼働を停止しますので、間際に申請された案件は、当日中に処理できない場合があります。