Q8.口がきけない方や耳が聞こえない方でも、遺言公正証書を作成することができますか?
遺言公正証書を作成することは、可能です。
従前は、公正証書遺言は、遺言者が「口頭で」、公証人にその意思を伝えなければならず、さらに、遺言公正証書の作成後、これを「読み聞かせ」なければならないとされていました。しかし、民法の改正により、平成12 年1 月から、次のように、口がきけない方や、耳の聞こえない方でも、公正証書遺言をすることができるようになりました。
- 口頭に代わる措置
口のきけない方でも、自書のできる方であれば、公証人の面前でその趣旨を自書(筆談)することにより、また、病気等で手が不自由で自書のできない方は、通訳人の通訳を通じて申述することにより、公証人にその意思を伝えれば、公正証書遺言ができることになりました。
この結果、もともと口のきけない方も、あるいは脳梗塞で倒れて口がきけなくなったり、病気のために気管に穴を開けたりして、口のきけない状態になっている方でも、公正証書遺言ができるようになりました。
そして、実際にも、公証人が病院等に出張して、口のきけない方の公正証書遺言を作成するということも珍しくありません。 - 読み聞かせに代わる措置
また、遺言公正証書は、作成後、公証人が、遺言者および証人の前で読み聞かせることにより、その正確性を確認することになっていますが、耳の聞こえない方には、読み聞かせに代えて、通訳人の通訳または閲覧により、筆記した内容の正確性を確認していただくことができるようになりました。