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公証制度・公証人

会長あいさつ

利用者目線に立った質の高い公証サービスの提供に向けて

   

日本公証人連合会 
      会長 服 部   悟

 日本公証人連合会(日公連)のホームページを御利用いただき、ありがとうございます。

 公証人は、法律実務の経験等を有し、法務大臣によって任命された公務員であり、全国で、約500名の公証人が約300の公証役場で公証業務を行っています。そして、公証人は、税金から給与等が支給されることはなく、全て依頼者(嘱託人)からの手数料等の収入によって、各人が自営の形で公証役場を維持経営しているという点が、一般の公務員と異なっています。

 我が国の公証人制度は、明治19年の公証人規則に起源を有し、以後、予防司法を担うものとして、この制度が発展してきました。医学の分野において、予防医学の重要性が強調されるのと同様に、当事者が多大な費用、時間、労力及び精神的負担を要する裁判に至ることがないように、法的紛争を未然に防止するのが予防司法です。私たち公証人は、私的紛争の予防という使命に基づいて、市民生活におけるトラブルを少しでも少なくするため、職務を通して、社会に貢献したいと思っています。

 公証人の具体的な仕事は、①公正証書の作成、②株式会社等の設立時の定款の認証、③外国に提出する私署証書(私文書)の認証、④確定日付の付与など、多岐にわたっています。

 最近では、社会の超高齢化、核家族化、家族関係の変容等を背景に、遺言、任意後見契約、民事信託契約、離婚給付契約、尊厳死宣言等に公正証書が多く利用されています。特に、遺言公正証書は、最近では、年間に全国で11万件余が作成されており、10年前と比べると5割近く増加しています。遺言は、自書でもできますが、要件を満たしていないと、無効とされるおそれもあります。これに対し、公正証書遺言にすれば、法律専門家としての公証人が、遺言者の意思を確認した上、法的観点からその内容を精査・検討して作成しますので、遺言者の意思に沿ったものであるとの証明力が高く、相続財産をめぐる争いは格段に少なくなります。
 遺言公正証書を作成された後に、「これでほっとしました」との感想を述べられる遺言者の方も少なくありません。また、大きな手術を控えられ、「これで気持ちが落ち着き、安心して手術を受けられます」と述べられる方もおられ、そのような感想を聞くと、お役に立てたことの嬉しさで、公証人冥利に尽きる思いがします。

 公正証書の作成は、弁護士等の士業者を通じるなどして、公証人に依頼することもできますが、必ずしも士業者等を介することなく、当事者が、公証役場に電話やメールをしたり、予約を取って公証役場を訪れたりするなどして、公証人に直接依頼しても一向に差し支えありません。公証人の手数料は、政令によって法定されており、相談は、全て無料です。

 マネーロンダリング等の抑止を目的として、平成30年11月からは、公証人が、株式会社等の定款の認証に当たって、その実質的支配者となるべき者が暴力団員等に該当しないかどうかのチェックを行うことになりました。また、利用者が公証役場においでいただかなくても公証サービスを受けられるように、平成31年3月からはテレビ電話を利用した電子定款認証手続が開始されており、令和2年8月からは、電子確定日付センターを開設しました。さらに、令和2年3月からは、公証人が新たに保証意思宣明公正証書を作成することになりました。

 私たち公証人は、以上のような責任のある重要な職務を担当していますので、法律の専門家として、法改正等に留意し、日々研さんを重ねるとともに、一人一人の公証人が、常に利用者目線に立って、質の高い公証サービスを提供できるように、努力してまいりたいと思っています。

 また、日公連では、広報活動にも力を入れており、離島に出張して公証相談会を実施しているほか、毎年10月の公証週間には、全国電話無料公証相談会を実施するなどしています。この日公連のホームページも、利用しやすくなるように、工夫やリニューアルを繰り返していますので、是非御活用ください。

 現在、新型コロナウイルスの感染が大きな社会問題になっていますが、各公証役場においては、その感染対策の徹底に努めていますので、どうか安心して御利用ください。新型コロナウイルス感染の早期終息を祈念するとともに、皆様の公証制度に対する一層の御理解と御支援を心からお願い申し上げます。